この一週間は、充実という意味では充実していた。何の不満も無い状態と云えばよいだろうか。
緊張すべき場面もあるにはあった。特許問題で、企業のヒトと利害の調整をしなければならなくなったのである。前日に友人Sに相談、強気に出る方針を固めた。こういうときにいい加減な態度を取ることは、組織の一員としては、厳密に言えば背任行為にもなるわけだし、二十年かかって研究してきた成果をみすみすかすめ取られるような事態にならないとも限らない。結果的にはこちらの言い分の通りに進むことになったが、色々と複雑な面もあり、ベストとは云えないにせよ、ベターではあると云うことで納得。いずれにせよ、特許は使われなくては意味がない。
以前に投稿した論文も受理された。今書いている論文は、発見した現象に関する部分は既に投稿中で、その現象の数理モデルなのであるが、木曜に致命的な点を見つけ、金曜にMathematicaでグラフィック表示しながら考え直す。今日は、週末。家で活元運動と瞑想をしてから、食卓でぼーっとしていると、正解が見えた。金曜に考えた地点から、わずか一歩進めたところに答えがあった。何かもっと難しいことをしなければならない、このモデルではこれが限界かと金曜に思って、諦めかけたのが、その必要は無いことが分かる。数学の霊妙さに打たれる。ひとつの方程式から小宇宙が開闢する不思議。頭の中では解決した。その後、未だ明るいうちに、風呂に入り、良い気持ちになる。家の裏が林で、風呂の窓から良い気が流れ込んでくる。明るいうちに風呂でくつろぐのが最高の贅沢。
夜、中古で買った"Drag on Dragoon2"というゲームを子どもと一緒にやる。ドラゴンと魔物の空中戦が良くできていて良い。テレビゲームの類は、浪人(前半は宅浪、これも死語です)の頃、「スペースインベーダー」の最初のバージョン(と思われる)をやって以来、その進歩を逐一目撃してきたと自負している面があるので、子どもに負けるわけにはいかないのであった。そういう意味では、インスタントラーメンもその発生から現在までフォローしてきたと思っている。東鳩がインスタントラーメンを作っていたことがあるなんて、知らないでしょ?
最近、家では瞑想に時間を使ってしまって、勉強する時間を作っていないので、明日からは勉強もしようと思う。やはり数学。明日は、論文に手を入れることもしようか。月曜には、火曜の重要なヒアリングの準備を早めに終えておかなければならないので、論文にかかる時間が取れないかも知れないので。
「20世紀少年」21巻も読んだが、全然駄目だった。話が全く進展しない。思わせぶりなだけで、謎が謎になっていないような気がする。方法論的に破綻してきている感じか。
小学生の子どもがお年玉の残りで買った本の中に、理論社から出ている養老孟司のものがあった。どんな感想を持つか、興味津々だったが、子どもは、ひとこと、「この人ぜんぜん駄目だね、子どもの質問に答えないで、虫でも捕りなさいなんて云ってるんだ」。大人は瞞せても、子どもをだますのは難しいようだ。